映画部5月の気になる映画

すでに公開中の映画、今月公開予定の映画の中から気になる映画をクリップ!

「裏切りのサーカス Tinker Tailor Soldier Spy

4月21日より公開中

 1960年代のイギリスの諜報機関を舞台にした、2重スパイを探すスパイハンターモノ。騙し騙されで頭が心地よく疲れそうな予感。難しい映画は大好物。主演はゲイリー・オールドマン。

オフィシャルWebサイト

「宇宙兄弟」

5月5日より公開

 宇宙飛行士になる夢を追いかける兄弟のお話。挫折した兄が、月面で消息を絶った弟を探しに。主演は小栗旬と岡田将生。麻生久美子が気になる。

オフィシャルWebサイト

「レンタネコ」

5月12日より公開

 寂しい人達に猫を貸し出してくれるレンタネコ屋さんのお話。あらやだ素敵、猫貸して!穏やかな映画を映画館で見るのもいいもの。主演は市川実日子。

オフィシャルWebサイト

Posted in 気になる映画 by 増井 on 5月 5th, 2012 No Comments »

違和感の無い映像を実現『猿の惑星ジェネシス』

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2001年に公開されたティムバートン監督の映画『猿の惑星』のシリーズ作品。前作をご覧になった方はご存じかと思いますが、何故人類が猿たちに支配される様になったのか、その真相には触れられてませんでした。今作はその部分をストーリー化した作品です。

前作では宇宙に出発したロケットが行方不明になり、そのロケットが遭難し、たどり着いた先がサルが支配する惑星でした。そこでは人間も居ますが、サルの方が賢く人間は檻に入れられ奴隷の様に扱われています。本作ジェネシスは、そうなるまでの発端の話なので、前作の設定に繋がる細かいシーンがちょこちょこ盛り込まれてます。主人公のウィルとサルのシーザーがまだ無邪気に戯れている頃、前作のロケットが発射されていて、さり気なくニュースで報道されていたり、徐々に賢くなっていくサルに飼育園のスタッフが逆に檻に入れられてしまったり、と今起こっている事がこの先の『猿の惑星』へと変わっていく経緯となっていて、前後の関連性が見えて面白いかったです。

次第に猿たちが人間に敵意を持ち始めますが、そこには社会風刺的な観点もあって、医学の発展を謳い文句に、新薬の開発で大儲けしようと、動物実験が日夜繰り返されている現実を批判してます。もしこの映画の様に動物達にもっと知能が備わり、その高い知能を持った目で人間を見た時には、友好的な感情を持てないでしょうね。現実の世界での人間の身勝手な行いや、企業の行き過ぎた資本至上主義をサル達の反逆によって風刺させています。

繁栄した文明を維持し、より進化せていくためには、少なからず動物や自然が犠牲になっていることがある…っとそっち方面を進んでいくと、話がどんどん逸れてしまいますので、あえて広げませんよ。でも自然エネルギーの開発や動物保護、環境との共生をもっともっと社会全体で力を入れて取り組むべきでは、なんて思ったりもしました。

さて話は戻りますが、この作品で使われているエモーションキャプチャーという新技術によって登場するサル達が非常に精巧にリアルに再現されていて、殆ど違和感が感じられなかった事が驚きでした。CG技術はどこまでも緻密に巧妙にリアルに近づいてきます。この技術のお陰でこの作品が何倍も面白くなっているのは間違いありません。

主演には映画『スパイダーマン』で親友役を演じていたジェームズフランコが配役されています。さすが若手実力派俳優だけあってサルのシーザーとのからみも上手くこなしていました。この手の空想系の撮影には慣れているんでしょうか。終始自然な演技で役をこなしていました。

よくよく考えるとスゴい作品なんですよね。タイトルの知名度が高いためか逆に興味が薄れてましたが、TUTAYAレンタルランキングで1位になっていたのでブログのネタとしては向いているかな、などとかなり浅い考えで視聴することにしまして(笑)、ですが実際見てみると最後まで楽しく鑑賞することが出来ました。GW中の一本に加えてみてはいかがでしょうか。

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 4月 30th, 2012 No Comments »

男として理解できる生き方 『英雄の証明』

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シェイクスピアの戯曲『コリオレイナス』を現代に置き換え、映画化した作品。予告編を見ると戦争アクションにも受け取れますが、どちらかというと自分の信念を貫く男「コリオレイナス」を描いたヒューマンドラマ的な内容です。 シェイクスピアの悲劇が原作ですが、テーマそのものは現代に通じるものがあり、色々と考えさせられました。

卓越した戦術と勇敢さを持つローマの将軍コリオレイナス。だが決して器用ではない、むしろ不器用なまでに自分のスタイルを変えない、変えられない性分の男だ。強いリーダーシップとカリスマ性で一度は国の最高責任者に祭り上げられるが、結局は彼を取り巻く人間達の思惑に翻弄され、壮絶なラストを迎えることになる。この生き方、分からなくは無い。彼は自分に正直なだけだ。だがその頑なさが周囲との軋轢にも繋がり、足元をすくわれる結果になってしまった。腐敗した政治家、流されやすい民衆、紛争や不安定な情勢、そんな中で真っ直ぐに生き抜くことの難しさ。原作は数百年前のものだが今も昔も変わらない。深いストーリーだった。

監督兼主役を演じているレイフファインズが初めてメガホンを取るこの作品について、「そもそも俳優を目指したきっかけが、幼少時から触れていたシェイクスピアだったんだ。12年前に『コリオレイナス』の舞台を踏んでから、ずっとこの戯曲の映画化に興味があったんだ。他の古典作品には無い特質を持っているからこそ、この作品を映画化したいと思ったんだ」と後に言っている様に、鑑賞してみると、この作品への監督の熱い思いと内容の面白さが伝わってきます。

この手の単館系作品を劇場で鑑賞したのは、これが初めてかもしれない。劇場は渋谷のミニシアターだったがスクリーンがとても小さく、シートも狭い。音響もフロントにスピーカーが2台並べられているだけの超シンプルな造り。だが普段よく観ているハリウッド系映画では味わえない「手作り感」というか「趣」というか、作品も劇場も全て引っくるめて配給する側の熱意が感じられる、単館系の面白さを肌で感じられた記憶に残る映画になりました。

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 3月 30th, 2012 No Comments »

人生は手持ちの『時間』で決まる タイム

映画「タイム」

テクノロジーが発達して、人の老化が25歳で止まるようになった近未来。それだけ聞くと嬉しい事だが、そのあとの寿命(生きる時間)は労働によって手に入れなければならない。それだけではなく、すべての物の購買が通貨ではなく、労働で稼いだ手持ち時間で支払い、購入する仕組みになっている。そしてその残りの手持ち時間が自分の残りの寿命にもなる。正にTIME IS MONEY、というかLIFE IS MONEYというか、超斬新な設定に惹かれて渋谷TOHOシネマズにて鑑賞。

この作品の世界では、時間を沢山持っている一部の富裕層は長生きができ、有り余る時間で贅沢な生活を送っている。時間を余り持っていない大半の貧困層の人間は、少ない手持ち時間で貧しく、生きるか死ぬかの毎日を送っている。時間が全ての世の中。究極の格差社会。かなり酷な話だが、どこか現在の世界と似ているところも興味を引かれた。

主人公のジャスティンティンバーレイクはその貧困層の出身。ある日富裕層から大量の時間を譲り受け、その時間を使って富裕層達の世界へ進入する。そこでヒロインのアマンダサイフリッドに出会い一緒に逃亡することになる。逃亡した二人は徐々に惹かれ合い、恋に落ちる。そしてこの究極の格差社会を変えようと動き出す。

作品の前半は鮮烈な世界観に引き込まれて楽しんで鑑賞しているも、後半になるとジャスティンとアマンダの恋愛映画の様な内容になっていき、SFアクションを鑑賞するつもりで臨んだ私個人としては、ちょっと物足り無くなってしまった。

でもヒロイン役のアマンダはショートカットの似合うキュートな女優さんでとても好印象だった。今回の作品でショートにしたそうだが、以前のロングヘアよりずっと似合っていて存在感が増していたと思う。実際の身長は150センチ台の様で、小柄なためか作品中は常にかなり高さのあるヒールを履いていて(履かされて?)、動きのある演技をこなしていた事も印象的だった。

確かに細かい設定が気になる部分もあるが、出演者のファッションや乗り物、新しい切り口のストーリーなど、この作品の独特の世界観をゆる~く楽しみながら鑑賞できれば、きっと今までにないクリエイティブさを感じれる作品になると思います。

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 2月 28th, 2012 No Comments »

突入せよ!あさま山荘事件

『突入せよ!あさま山荘事件』

1972年に起きた浅間山荘事件を、警察側の視点で描いた作品です。映画ですのである程度の脚色はあるかと思いますが、事件が解決するまでの警察内部での苦闘がややシニカルに表現されている様に感じます。

この作品を見ると、危機管理のために何が必要かが良く分かります。組織が大きくなるほど、本来の目的のためにその組織を機能させる事が難しくなる。人の命が掛かっている中、自分の立場やプライドに拘り、意識の低い言動が飛び交う上層部と、最前線で踏ん張る現場の警察官との温度差は、今の日本の状況(政治)にも似ているなと。組織が動く時にありがちな弊害や、危機管理の難しさを実際の事件を題材に上手く映し出した、そういう意味で非常に面白く、いい作品だと思いました。

感銘したのは、あのグチャグチャな状況下での役所広司演じる佐々敦行幕僚長の活躍ぶり。スマートな判断と的確な指示だけでなく、突入前夜の緊張した機動隊員に自前のウィスキーを渡すシーンや子供が生まれたばかりの部下を前線から下げるシーンなど、とても温かみも伝わり、感動しました。

警察側の状況のみ描いてますので事件の背景や犯人像などは触れていません。事件の内容をご存じでない方は簡単に予習されてからの方が、この作品のヒューマンドラマ的な要素を熟視できて楽しめるかと思います。

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 1月 29th, 2012 No Comments »

大人気のMIシリーズ最新作・ゴーストプロトコル

『ミッションインポシブル ゴーストプロトコル』

早いもので2011年も残りわずか数日。今年のオオトリとも言える本大作をユナイテッドシネマのIMAXにてチェックしてきました。

主演はご存じのトムクルーズ。アクションシーンはノースタントで有名な彼が、あのドバイの超高層タワーでの撮影も実写にチャレンジしたのかどうか気になるところでしたが、やっぱりノーCG、ノー合成で、彼自身が行ったらしいです。やりますね、トムクルーズという男は。監督が後のインタビューで言ってましたが、撮影スタッフ全員が安全ベルトなどを付けて重装備している中、主役のトムのみ最小限の軽装備であの過酷なアクションシーンをこなしている。その姿を目の当たりにして監督もホレボレしたそうです。

もはや単なる二枚目俳優ではとどまらないトムクルーズが演じる主人公イーサンハントのスーパーなアクションシーンも見物ですが、本部の指令に対してイーサンを中心とした複数のメンバーで任務に取り組むという共同作業での展開も面白い味があります。スパイ映画やヒーロー物だと、『007』や『ダイハード』の様に主人公がたった一人で任務を遂行するという印象が強いと思いますが、ミッションインポシブルでは前回の三作目からチームで取り組む設定になり、今回の四作目でも新しいメンバーが組まれ、絶妙なチームワークでミッションを成し遂げます。一人がハッキングしてる間に、一人が変装して敵に近づき、別の一人が狙いの物を手に入れる。お約束のスパイグッズが上手く機能せず何度か危なくなりながらも、仲間同士でのリカバリーでピンチを突破していくところ等、協力しあって困難を突破していくところも良かったです。

又、随所に笑いも散りばめられていて、変装後の衣装がコッテコテだったり、任務中に仲間へ無線で無茶ぶりしたり、と緊張の中にも思わずクスッとくるシーンが入っていて、見ていて楽しくなります。これ以上この映画に説明は要りません。この年末年始の文句なくお薦め映画です。あの迫力とスピード感ある映像を是非劇場で味わってみてください。

 

本年はご愛顧くださいましてありがとございました。これからもあくまで映画ド素人目線(笑)で楽しいと感じた作品を紹介していきたいと思います。新年からもよろしくおねがいいたします。

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 12月 27th, 2011 No Comments »

感動もありのSFサスペンス・ミッション8ミニッツ

『ミッション8ミニッツ』

うーん、なかなか面白い映画でしたよ。好きな類の作品でした。感想が書きにくい内容なのですが、予告編にあった爆破シーン等からハードなアクション映画を想像している方も多いかと思います。実際はそうでもないです。タイムトラベルとパラレルワールドを題材にしたSFサスペンスです。それらについての知識を少しだけ予習してからご覧になることをお薦めします。その予備知識の有る無しで、感想がまったく変わると思いますので。

監督は、あのデヴィッドボウイを父に持つダンカンジョーンズ。前作でも『月に囚われた男』というSF系映画を制作しており、この手のストーリーが得意な監督さんの様で、ラストシーンは元々の脚本には無かった展開を監督自らが付け加え、結末に大きなヒネリを利かせてくれてます。『映画通ほど騙されるラストシーン』のキャッチコピーはあの部分の事なんでしょうが、素人の私は騙されることはなく、疑問だけが残っちゃいました笑。

後から調べてみたのですが、この映画のキーになっている『パラレルワールド=並行世界』の認識には諸説あるようで、物理学者であるホーキング博士も著書で論じており、物理法則も空間の次元も異なる宇宙は無数にあり、私たちの住む宇宙はその1つに過ぎない、と語っています。量子力学でも『多世界解釈』という考え方があり、可能性の分だけ異なる世界が存在するらしいのです。

言い換えれば、今の現実の空間と瓜二つの空間が別の次元で同時に幾つも存在し、ちょっとした行動の違いや選択の違いによって全く別の結果、世界が拡がっているという事のようです。例えば今私はサラリーマンで、パソコンを使ってブログを書いていますが、無数にある別の次元には、過去のちょっとした選択の違いから大きく枝分かれしていき、今は資産家となって海外のリゾート地でシャンパンを飲みながらサンセットを眺めている私が存在しているかもしれません笑。

是非そっちの自分と一度入れ替わってみたいものですが、もしホントにそんな事があるのなら、ちょっとずつ違う世界が同時に無数に存在し、それは今この瞬間にも行動の違いから未来に無数に違う世界が拡がっている、という訳です。という事はもしかすると戦争や貧困の無い世界も実は別次元では存在していて、今も選択を間違わなければ無数に拡がるパラレルワールドの先に理想としている世界が待っているかもしれないですよね。

今現実の世界では政治も経済も地球環境も悪いことばかりが起きていますが、一人一人のちょっとした心がけで、今後の世界も少しずつ良い方へ向かって行き、数十年後には大きな差となって現れるのでしょう。そう信じてます。

話は逸れましたが、主演のジェイクジレンホールの熱のこもった印象に残る演技と、推測をさせながら進行するストーリーとがマッチしていて、内容に引き込まれる面白い作品です。是非劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

日本向けタイトルが何となくひっかかる度☆☆☆☆☆

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 11月 22nd, 2011 No Comments »

夢への挑戦と兄弟の絆・ザファイター

どん底から這い上がりボクシング世界チャンピオンに挑む兄弟の実話を描いた作品です。主役はマークウオールバーグ演じる生真面目な現役ボクサー(ディッキー)と、その兄役をドラッグに溺れる伝説的元ボクサー(ミッキー)をクリスチャンベールが演じます。兄のミッキーは過去に数々の名試合を残し英雄となっているが、今では麻薬と女に溺れ、墜落した生活を送っている。そんな兄がセコンドとして弟ディッキーに付き、悪戦苦闘しながら世界チャンプを目指す、という話。

作品がスタートして間もなく、画面中央に『このストーリーは実話です』という字幕が現れます。どこまで事実に忠実なのか疑問ではありますが、この字幕のお陰でそのあとに登場するファンキーな人々や日々荒れていく人間関係などをドキュメンタリーを見る様な意識で鑑賞出来たので、笑いや悲しみ、感動が、より大きくなり楽しめた気がします。

圧巻なのは兄ミッキー役のクリスチャンベール。この役のために歯並びを変え、髪を抜き(始め本当に薄くなったのかと思いました笑)、13キロ減量させて、正に中毒者といった容姿を作り上げています。クリスチャンベールは過去にも、病人役でガリガリに減量したあと、次の映画の撮影のために半年間で30キロのウェイトアップをやり遂げるなど、役を演じる事への強い情熱を感じさせてくれますね。その熱心さ故か別の作品の撮影の時には、監督とトラブルになったりした事もあったそうですが、そんな役者としてハングリーでストイックなクリスチャンベールが私は好きです。

アメリカの片田舎の風情をバックに、ハチャメチャ過ぎる兄ディッキーの、そのダメダメぶりがプッと笑えるところや、ボクサーらしからぬ優しい人格の弟ミッキーが、周囲から沢山の援護を受けて、徐々に再起していくところなど、人間臭さみたいなもので和ませてくれるシーンが多く、スポーツ映画特有のネバーギブアップ精神の描写というよりは、ファミリー映画の様な人間関係の絆を表現した作品でとても良かったです。

最後の最後に流れる特典映像??も気が利いてました。兄と弟のキャラクターがよーく伝わってきます。なるほどね、納得です。

サントラの80年代ロックが今更格好いい度☆☆☆☆☆

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 10月 27th, 2011 No Comments »

ホラー映画に近い緊張感・ブラックスワン

白鳥の湖がこんな風にアレンジされてるとは、想像してませんでした。ほぼホラー映画といっていい程の恐怖感が漂ってます。主人公のニナ(ナタリーポートマン)はバレエ一筋の女の子。母親も元バレリーナで親子二人三脚でプリマを獲得するために日々練習に励んでいる。そしてある日、ついにプリマに選ばれ、悲願の白鳥役に大抜擢される。

その後のニナの心境の変化をナタリーポートマンが見事に演じきってます。舞台では白鳥と黒鳥を一人で二役演じる必要がありますが、純真なニナは白鳥の演技は完璧なのですが、ダークな面を持つ黒鳥を上手く演じることができない。

監督からの厳しい要求と、プリマという大役からのプレッシャーで、徐々に精神的に追い詰められていく。ストーリー中では、ニナの吐息が常に響き、ちょくちょく現れる幻覚のシーンもグロテスクな映像が多い。華麗なバレリーナ団の裏の世界を表現した映画かな、と思いきやサイコサスペンスやホラー映画に近い内容で、何も予備知識無しで観た私にはインパクトが大きく、ある意味その意外性に面白さを感じました。

あの終わり方はハッピーエンドか?と考えてしまいますが、終演にはストーリー中の疑問が全てが繋がり、ニナは白鳥と黒鳥を演じきって、達成感に包まれながらエンドロールに入ります。

プロスポーツ選手など、高いレベルの結果を求められる人の心理状態は、この作品のニナの様に過酷なのでしょう。それを克服し、最高のパフォーマンスを見せてくれているパフォーマーの方には敬服します。オリンピックやワールドカップ等、あの沢山の感動は、想像を絶する(陰の努力)から生まれているんでしょうね。

 

ここまででは無いが似た経験はある度☆☆☆☆☆

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 9月 30th, 2011 No Comments »

名カメラマンの監督らしい見事な情景・剣岳点の記

明治の頃、地図を作成するために前人未踏の剣岳に挑んだ男達の話です。実際に明治39年に陸軍陸地測量部(現在の国土地理院)の測量士が、地元の案内人と下見をし、翌年の明治40年に同案内人と剣岳を初登頂した際の実話です。その測量士役を浅野忠信が演じ、案内人役を香川照之が演じています。

圧巻だったのは撮影シーンが実際の剣岳で行われていること。剣岳は現在でも一般登山者が登頂するには最も過酷な山だと言われているそうです。そこを登頂しながら撮影が進んでいくんですから。山風吹き荒れる雪渓を二人がさくさくと歩くシーンが何気なく登場しますが、あれは一歩間違えれば滑落=即死のはずです。そこを命綱無しで撮影している。浅野忠信が後に言ってましたが、正に『命がけ』だったそうです。その緊張感と壮大な自然の迫力はひしひしと伝わってきます。

CGや特撮を殆ど使用せず、生の剣岳で撮影を行っているため、ロケーションは見たことがないような美しい風景が登場します。特に印象的だったのは草原の様に広がった雲を見下ろしながら遠くに富士山が見えるシーン。日本海側から見える日本一の山の姿も、あれも実際に剣で撮影を行ったからこその映像なんでしょう。数々の自然の優美に心が和みます。

ストーリー自体には緩急があまりなく、もうちょっと展開に変化をつけてほしかったですが、実話をベースにしているのでこんなものだろう?と思いながら鑑賞していました。まるで明治の登山のドキュメンタリー映画をみているかのような、大自然の猛威とそれにアタックする偉人の勇姿がそのままに収められている感じです。途中で対抗して登山を始めた山岳会のチームが陸地測量部を追い上げる場面でも、一番に登頂することを競うのではなく、地図をつくるという任務に誇りと信念を持って、寡黙に取り組んでいる姿が表現されていて、そこにはとても感銘を受けました。

この映画を見終わった後、今ある便利マップや不動産業では欠かせないゼンリン地図も、グーグルアースやストリートビューも、すべて昔の人々の偉業の上に成り立っているんだなと思い、過去の先輩の方々の努力に改めて感謝しつつ、自然や人の心など、どんなに便利になっても変わらないもの、変えるべきでは無いものもあると、再認識させてくれた作品でした。

 

出演者と監督、撮影スタッフ全員の熱意に☆☆☆☆☆

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 8月 30th, 2011 No Comments »