野球ファンでなくてもハマる「マネーボール」

マネーボール [Blu-ray]
マネーボール [Blu-ray]

メジャーリーグのチーム、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー ビリー・ビーンの半生を描いた作品です。選手の評価を打率や打点、主観などで決めていたメジャーリーグ界に、統計学(マネーボール理論)を持ちこんで、「四球を含めた出塁率がいい選手」など、通常は読まないデータを重視して、今までとは違った視点から選手を評価し、一般評価の低い選手を低予算で獲得。隠れた優秀選手を補強して、低迷チームを常勝チームへと生まれ変わらせていくという実話に基づいた作品です。

そのGMのビリー・ビーン役をブラッド・ピットが熱演、脚本は『ソーシャルネットワーク』のアーロン・ソーキンが担い、派手な演出こそ無いのですが、とても深みのあるヒューマンドラマに仕上げています。

ビリービーンは元メジャーリーガーだった。高校卒業の時プロにスカウトされ、スタンフォード大の奨学生の権利を蹴って、野球界入りを決断した。だがその後、選手として成績が振るわずに球団を転々とし、早々に現役を諦めてスカウトマンに転身することになる。そして若くしてアスレチックスのGMになり、今はGMの立場として野球に挑み、チームの勝利のために奮闘していた。

この作品が面白いのは、弱小チームが強くなっていくサクセスストーリー的要素だけではなく、マネーボール理論を遂行するためのベンチ裏の攻防と、過去の選手時代の失敗から立ち直りきれないビリーの心の葛藤とが、絶妙に絡み合いながら話が展開するからでしょう。

印象的なシーンが沢山あった中で、私が最も好きなシーンは、ビリーの娘ケイシーが父親を励まそうと作った歌が流れるラストのシーン。娘ケイシー役のロビン・ライトのキャラも良かったですが、あの美声にはホントやられました。ビリー役であるブラピが黙って歌に聴き入る姿も名演だったと思います。

現在レイズとマイナー契約を交わし、メジャー復帰に挑む松井秀喜選手も、昨年アスレチックスに所属していたことは記憶に新しいですが、その時に松井に声を掛けたのがビリービーンだそうです。年俸はヤンキース時代の3分の1で獲得したらしいですから、ビリーのマネーボール理論は今でも上手く活用されている様です。

メジャーリーグの事は余り知りませんでしたが、球団経営の裏側や選手獲得交渉の駆け引き、プロ野球世界の厳しさ等、普通では見れない側面がこの作品の中が見られるので、そういう所も含めとても魅了された作品でした。

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