伝説、最終章。「ダークナイトライジング」

ダークナイト ライジング Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
ダークナイト ライジング Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)

ついに待ちに待ったあの映画、ダークナイトライジングを観てきました。予告編から伺えるあの迫力の映像を高音質のシネコンで臨場感を楽しみたく、深川ギャザリアのIMAXにて鑑賞してきました。

前作「ダークナイト」から8年が経過したゴッサム・シティ。新しい法律により犯罪者達が街から消え、市民は平和に暮らしていた。ブルースは最愛の人を失ったショックから立ち直れず、バットマンを封印したまま、自宅屋敷に引きこもっていた。だがその間、ベインをリーダーとするテロリスト集団は密かにテロ始動のための準備を進めていた。平和を取り戻したはずのゴッサムシティにまたもや危機が迫っていた・・・。

観る前の期待値が高過ぎたためか、多少気になる部分があった本作ライジングですが、全般としては162分という長尺にも関わらず、飽きることなく最後まで楽しく鑑賞できました。

そのちょっと気になってしまった点の一つは、今作の敵役のベインにやや物足りなさを感じたところです。このシリーズの印象を決定付ける悪役の存在を、前作「ダークナイト」のジョーカーとついつい比較して観てしまうからでしょうか、ベインの厳つい肉体と、顔面に不気味なマスクを付けた面もちは、まさにヒールという独特の雰囲気は醸し出してはいるものの、やっぱりあのダークナイトの時の狂気に満ちた宿敵ジョーカーの様な、先が読めない行動と、殺人ゲームを楽しむクレイジーな犯罪者の心理とが生み出す、あのスリルと緊張感を、今作が超える事は出来なかったと思います。それだけ前作ダークナイトのストーリーと、故・ヒース・レジャーが演じたジョーカーが凄かったということでしょう。ベインも決して悪くはなかったんですが、もうひとつ迫力不足だったようにどうしても感じてしまいます。

まあ前作のダークナイトが凄すぎた分、私の中でライジングへの期待値が高くなり過ぎていただけなのかもしれません。ベインの暴力的で破壊的なキャラクターは、バッドマン最終章のヒール役としては十分な存在感を放っていましたし、あのド派手な演出と、展開の切り替わりもよく、作品の世界に終始引き込み続けてくれました。エンディングも好きな終わり方で良かったです。ということはやっぱりアリですね。

登場する出演者と使用される新兵器はダークナイトの時よりスケールアップされていたと思います。登場人物では何と言っても容姿端麗なアン・ハサウェイ演じるキャットウーマンでしょう。あの華奢で清楚なアン・ハサウェイのアクション役がこんなにハマるとは思わなかったですし、演技の雰囲気もガラリと変えて大人の悪女、ルパン三世の峰藤子のような小悪魔的な感じが良かったです。彼女がバッドポッドを乗り回してキャノン砲をぶっ放すシーンは、今までのアンハサでは絶対見られないノリですが、でもこれが結構決まっていてクールで格好よかったです。スピンオフの噂もありますが、それはそれで面白そうです。

ウェイン社で密かに作られていた迷彩カラーのバッドモービルも完成度が高かったですね。街中を走行するシーンがありますが、あれは合成やCGではなく実際に走行させています。ですから実物を造り上げたということです。軍用車としても使われているハマーとランボルギーニをベース車に使ってあるらしく、あのモービルの実物を造ってしまうところなどは、さすがノーラン監督、全製作スタッフ達も含めてそのこだわりと意気込みを感じます。

もともとアメコミを実写化したティムバートン監督の先代バッドマンシリーズから始まり、ノーラン監督によってここまでシリアス且つダイナミックなアクション大作へと進化を遂げてきました。他のアメコミ系シリーズのスパイダーマンやスーパーマンなど、1980年代に登場した多くのアメコミ系作品もこれに刺激を受け、21世紀に入り、より濃厚で完成度の高い作品へとリメイクされています。単なるコミック実写版だった作品が、よりリアリティのある魅力的な作品となって配給される様になったのは、ノーラン監督のダークナイトシリーズの功績かもしれません。これからもエンターテイメント性溢れる素晴らしい作品の登場を楽しみしています。

Posted in アクション by 倉井 on 8月 20th, 2012 No Comments »

死というテーマを穏やかに表現した「ヒアアフター」

ヒア アフター [Blu-ray]
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2011年2月から公開された映画ですが、冒頭に津波のシーンがあったため、日本では311の大震災以降の公開が中止となってしまった作品。監督は名優でもあるクリント・イーストウッド。

主人公を演じるのは、「ボーンシリーズ」での印象が強いマット・デイモン。ボーンの時とはうって変わって、自分の霊能力に苦しめらて今は倉庫の作業員として地味に暮らしている、物静かで繊細な独身男性を演じています。

そのマット・デイモン演じる霊能力者ジョージと、何の関係もない別の国に住む死を経験した二人の人物が不思議な引き合わせで巡り会い、互いの心の傷を癒していく。終演には最大の理解者と確信しあった者同士が運命的な出会いによって結ばれます。

ストーリーが死と死後の世界(ヒアアフター=来世)を扱っているので、内容が重めの暗い作品か、もしくはオカルトチックな怪しい映画になりそうなものですが、そこは流石のクリント・イーストウッド監督、終始とても穏やかで、感動のあるヒューマンドラマに仕上がってました。災害・事故シーンなどは目を覆いたくなりますが、クリント・イーストウッド監督曰わく「奇跡的な出来事を表現するためにCGや特撮を駆使して敢えてリアルに表現した(特に津波のシーンはリアルです)」のだそうです。

パリ、ロンドン、ドイツ、サンフランシスコ、南仏のビーチなど、ロケーションが観光地としても人気の綺麗な場所が多かったことと、サントラに流れるフォークギターのサウンドが心地よく、難しいテーマの作品ながら結構和めます。お薦めです。

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 7月 27th, 2012 No Comments »

映画部2012年8月の気になる映画

すでに公開中の映画、8月公開予定の映画の中から気になる映画をクリップ!

「トータル・リコール Total Recall」

 シュワちゃん主演で大ヒットしたSF映画のリメイク版。荒廃した近未来。工場労働者の主人公が記憶を売買するリコール社を訪れたことから、自身が記憶を上書きされた人物になっていたことを知る・・・というお話。主演はコリン・ファレル。「アンダーワールド」「ダイ・ハード4.0」で個人的に信頼してるレン・ワイズマンが監督。期待していいはず。

オフィシャルWebサイト

「アベンジャーズ Marvel’s The Avengers」

 アイアンマンやキャプテン・アメリカなどのマーベル・コミック原作のアメコミヒーローが大集結するお祭り映画。近年のマーベルのアメコミ実写化は全てこの映画のためのもの。「アイアンマン」以降の作品を未見なので予習が大変だけど・・・。ちなみにバットマンやスーパーマンはDCコミックのヒーローなので出てこない。DCコミック勢も「ジャスティス・リーグ」として大集合映画の企画があるとかないとか。

オフィシャルWebサイト

「プロメテウス Prometheus」

 巨匠リドリー・スコットが自身の生み出したSFスリラーシリーズ「エイリアン」の原点を描いた作品。古代遺跡から人類の起源の手がかりを発見した人類が謎を解明するために未知の惑星を訪れる・・・というお話。どう見ても「エイリアン」な世界なのになぜか映画会社は「エイリアン:エピソード・ゼロ」だと宣伝してない。

オフィシャルWebサイト

Posted in 気になる映画 by 増井 on 7月 24th, 2012 No Comments »

リアリティを追求した驚愕のドラマ「外事警察」

外事警察 その男に騙されるな [Blu-ray]
外事警察 その男に騙されるな [Blu-ray]

先日、有楽町で『外事警察』を鑑賞してきました。この作品は2009年にNHKで放映されたドラマの外事警察を映画化したもので、対国際テロ捜査に奔走する“日本版CIA”と言われている警視庁公安部外事課の活躍を描いたサスペンスムービーです。

映画のキャッチに「誰も手を付けなかった禁断の裏の世界を映画化」と謳われていますが、この作品の監修には本物の元外事警察官が携わっているそうで、今まで表に出て来なかった外事警察官の実態とその独特な捜査方法などをリアルに再現したそうです。と言われてはいるものの、この作品中ではどこまで本当の話なのか疑いたくなる様な信じられない程エグく、違法スレスレの捜査が行われており、その尋常では無い展開に釘付けになります。

例えばこの作品でストーリーの肝になっている「協力者の獲得」という捜査方法があります。協力者というのは、テロリストと疑わしい人物と親密な間柄の一般人のことで、その一般人の弱みにつけ込み説得し、金を渡して、強引に協力者として獲得していきます。そしてその協力者にテロリストの情報を盗み取らせ、成功するとまた報酬を与える。そして次第にその要求はエスカレートしていき、成功すると更に多くの報酬を渡す。その一般人だった協力者はどんどん深みにハマリ、命掛けで捜査に協力させられていきます。

その緊迫した外事警察官と協力者の関係を、主演で外事警察官役である渡部篤郎と、協力者役の真木よう子が迫真の演技で表現しています。ドラマとは分かってはいるのですが、リアリティあるストーリーと、出演者の完璧な演技で映画の世界に没頭させられました。

この作品のアドバイザーである元外事警察官のコメントがあります。

「外事警察官達は基礎調査や行動確認といった地味で骨の折れる作業を地べたを這い回って気が遠くなるほど繰り返し行い、必死で情報を集める。それはなぜならいざと言うときは情報だけが身を守ってくれるからである。協力者の獲得も例え国益を守るためであっても自責の念はある。しかしだからこそ協力者の人生の全てを背負い込む覚悟で全人格をもって獲得作業を行うのである。そうして一度築かれた捜査官と協力者との絆は、事件が終息しても、退職しても、何があってもなくなることはない。一生繋がっていく。それが我々の責任であり、この仕事に対する誇りである。

外事警察官という仕事をこの映画を通じて多くの方々に知ってもらえたことに心より感謝申し上げる。誰に認められることなく、国から讃えられることもなく、ウラの世界で人知れず職務を全うしてこの世を去っていった仲間達に、この映画を捧げます。」

いかがでしょうか。今月末まで劇場で公開されています。お早めにどうぞ。

Posted in TVドラマ, ミステリー・サスペンス by 倉井 on 6月 23rd, 2012 No Comments »

映画部2012年7月の気になる映画

すでに公開中の映画、7月公開予定の映画の中から気になる映画をクリップ!

「ダークナイトライジング The Dark Knight Rises」

7月28日より公開

映画部の今年の大本命映画。大ヒットした前作「ダークナイト」から8年後が舞台。平和を取り戻したかに見えたゴッサム・シティに街の破壊を目論むベインが現れる。というお話。ベインはコミックではバットマンを一時引退に追い込んだ強敵。今作ではバットマンの味方らしいアン・ハサウェイ演じるキャットウーマンと、「インセプション」からジョゼフ・ゴードン=レヴィットとトム・ハーディが参加。最新の予告編ではおぼろげながらストーリーが見えてくる?

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Posted in 気になる映画 by 増井 on 6月 23rd, 2012 No Comments »

野球ファンでなくてもハマる「マネーボール」

マネーボール [Blu-ray]
マネーボール [Blu-ray]

メジャーリーグのチーム、オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー ビリー・ビーンの半生を描いた作品です。選手の評価を打率や打点、主観などで決めていたメジャーリーグ界に、統計学(マネーボール理論)を持ちこんで、「四球を含めた出塁率がいい選手」など、通常は読まないデータを重視して、今までとは違った視点から選手を評価し、一般評価の低い選手を低予算で獲得。隠れた優秀選手を補強して、低迷チームを常勝チームへと生まれ変わらせていくという実話に基づいた作品です。

そのGMのビリー・ビーン役をブラッド・ピットが熱演、脚本は『ソーシャルネットワーク』のアーロン・ソーキンが担い、派手な演出こそ無いのですが、とても深みのあるヒューマンドラマに仕上げています。

ビリービーンは元メジャーリーガーだった。高校卒業の時プロにスカウトされ、スタンフォード大の奨学生の権利を蹴って、野球界入りを決断した。だがその後、選手として成績が振るわずに球団を転々とし、早々に現役を諦めてスカウトマンに転身することになる。そして若くしてアスレチックスのGMになり、今はGMの立場として野球に挑み、チームの勝利のために奮闘していた。

この作品が面白いのは、弱小チームが強くなっていくサクセスストーリー的要素だけではなく、マネーボール理論を遂行するためのベンチ裏の攻防と、過去の選手時代の失敗から立ち直りきれないビリーの心の葛藤とが、絶妙に絡み合いながら話が展開するからでしょう。

印象的なシーンが沢山あった中で、私が最も好きなシーンは、ビリーの娘ケイシーが父親を励まそうと作った歌が流れるラストのシーン。娘ケイシー役のロビン・ライトのキャラも良かったですが、あの美声にはホントやられました。ビリー役であるブラピが黙って歌に聴き入る姿も名演だったと思います。

現在レイズとマイナー契約を交わし、メジャー復帰に挑む松井秀喜選手も、昨年アスレチックスに所属していたことは記憶に新しいですが、その時に松井に声を掛けたのがビリービーンだそうです。年俸はヤンキース時代の3分の1で獲得したらしいですから、ビリーのマネーボール理論は今でも上手く活用されている様です。

メジャーリーグの事は余り知りませんでしたが、球団経営の裏側や選手獲得交渉の駆け引き、プロ野球世界の厳しさ等、普通では見れない側面がこの作品の中が見られるので、そういう所も含めとても魅了された作品でした。

Posted in ヒューマンドラマ by 倉井 on 5月 30th, 2012 No Comments »

映画部2012年6月の気になる映画

すでに公開中の映画、6月公開予定の映画の中から気になる映画をクリップ!

「外事警察 その男に騙されるな」

6月2日より公開

 NHKで放映されていたドラマの劇場版。国内におけるテロ等を未然に防ぐため、活躍する警察内部にある知られざる部署「警視庁公安部外事4課」。スパイ防止法のない日本で、彼らは国益を守るためならば民間人を追い詰めスパイとして利用もする。劇場版では震災後の日本を舞台に核テロの脅威を描くという勇気のあるお話。主演は渡部篤郎。

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「ネイビーシールズ Act of Valor」

6月22日より公開

 アメリカ海軍特殊部隊SEALsの活躍を描いたアクション映画。無名のキャスト、スタッフで作られ、現役のSEALs隊員も出演。予告編だけでも大迫力。ゲームと映画でビジュアルの競争が激化している・・・。

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「エターナル 奇蹟の出会い」

5月5日より公開

 一目惚れで恋に落ち、結婚まで決まった新郎が、挙式当日に子どもサッカーチームの監督を任されてしまう。挙式に急ぎたいけど、チームはどんどん勝ち進んでしまい、なかなか行けず・・・というドタバタコメディ。ミラ・ジョボビッチがゾンビと戦ってない!かわいい!急げ新郎!殺されるぞ!ロシア映画もたまに面白い(「ナイト・ウォッチ」とか)。

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Posted in 気になる映画 by 増井 on 5月 27th, 2012 No Comments »

映画部2012年5月の気になる映画

すでに公開中の映画、今月公開予定の映画の中から気になる映画をクリップ!

「裏切りのサーカス Tinker Tailor Soldier Spy

4月21日より公開中

 1960年代のイギリスの諜報機関を舞台にした、2重スパイを探すスパイハンターモノ。騙し騙されで頭が心地よく疲れそうな予感。難しい映画は大好物。主演はゲイリー・オールドマン。

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「宇宙兄弟」

5月5日より公開

 宇宙飛行士になる夢を追いかける兄弟のお話。挫折した兄が、月面で消息を絶った弟を探しに。主演は小栗旬と岡田将生。麻生久美子が気になる。

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「レンタネコ」

5月12日より公開

 寂しい人達に猫を貸し出してくれるレンタネコ屋さんのお話。あらやだ素敵、猫貸して!穏やかな映画を映画館で見るのもいいもの。主演は市川実日子。

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Posted in 気になる映画 by 増井 on 5月 5th, 2012 No Comments »

違和感の無い映像を実現「猿の惑星ジェネシス」

猿の惑星:創世記(ジェネシス) [Blu-ray]
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2001年に公開されたティム・バートン監督の映画『猿の惑星』のシリーズ作品。前作をご覧になった方はご存じかと思いますが、何故人類が猿たちに支配される様になったのか、その真相には触れられてませんでした。今作はその部分をストーリー化した作品です。

前作では宇宙に出発したロケットが行方不明になり、そのロケットが遭難し、たどり着いた先がサルが支配する惑星でした。そこでは人間も居ますが、サルの方が賢く人間は檻に入れられ奴隷の様に扱われています。本作ジェネシスは、そうなるまでの発端の話なので、前作の設定に繋がる細かいシーンがちょこちょこ盛り込まれてます。主人公のウィルとサルのシーザーがまだ無邪気に戯れている頃、前作のロケットが発射されていて、さり気なくニュースで報道されていたり、徐々に賢くなっていくサルに飼育園のスタッフが逆に檻に入れられてしまったり、と今起こっている事がこの先の「猿の惑星」へと変わっていく経緯となっていて、前後の関連性が見えて面白いかったです。

次第に猿たちが人間に敵意を持ち始めますが、そこには社会風刺的な観点もあって、医学の発展を謳い文句に、新薬の開発で大儲けしようと、動物実験が日夜繰り返されている現実を批判してます。もしこの映画の様に動物達にもっと知能が備わり、その高い知能を持った目で人間を見た時には、友好的な感情を持てないでしょうね。現実の世界での人間の身勝手な行いや、企業の行き過ぎた資本至上主義をサル達の反逆によって風刺させています。

繁栄した文明を維持し、より進化せていくためには、少なからず動物や自然が犠牲になっていることがある…っとそっち方面を進んでいくと、話がどんどん逸れてしまいますので、あえて広げませんよ。でも自然エネルギーの開発や動物保護、環境との共生をもっともっと社会全体で力を入れて取り組むべきでは、なんて思ったりもしました。

さて話は戻りますが、この作品で使われているエモーションキャプチャーという新技術によって登場するサル達が非常に精巧にリアルに再現されていて、殆ど違和感が感じられなかった事が驚きでした。CG技術はどこまでも緻密に巧妙にリアルに近づいてきます。この技術のお陰でこの作品が何倍も面白くなっているのは間違いありません。

主演には映画『スパイダーマン』で親友役を演じていたジェームズ・フランコが配役されています。さすが若手実力派俳優だけあってサルのシーザーとのからみも上手くこなしていました。この手の空想系の撮影には慣れているんでしょうか。終始自然な演技で役をこなしていました。

よくよく考えるとスゴい作品なんですよね。タイトルの知名度が高いためか逆に興味が薄れてましたが、TUTAYAレンタルランキングで1位になっていたのでブログのネタとしては向いているかな、などとかなり浅い考えで視聴することにしまして(笑)、ですが実際見てみると最後まで楽しく鑑賞することが出来ました。GW中の一本に加えてみてはいかがでしょうか。

Posted in SF・ファンタジー, アクション by 倉井 on 4月 30th, 2012 No Comments »

男として理解できる生き方「英雄の証明」

英雄の証明 [Blu-ray]
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シェイクスピアの戯曲『コリオレイナス』を現代に置き換え、映画化した作品。予告編を見ると戦争アクションにも受け取れますが、どちらかというと自分の信念を貫く男「コリオレイナス」を描いたヒューマンドラマ的な内容です。 シェイクスピアの悲劇が原作ですが、テーマそのものは現代に通じるものがあり、色々と考えさせられました。

卓越した戦術と勇敢さを持つローマの将軍コリオレイナス。だが決して器用ではない、むしろ不器用なまでに自分のスタイルを変えない、変えられない性分の男だ。強いリーダーシップとカリスマ性で一度は国の最高責任者に祭り上げられるが、結局は彼を取り巻く人間達の思惑に翻弄され、壮絶なラストを迎えることになる。この生き方、分からなくは無い。彼は自分に正直なだけだ。だがその頑なさが周囲との軋轢にも繋がり、足元をすくわれる結果になってしまった。腐敗した政治家、流されやすい民衆、紛争や不安定な情勢、そんな中で真っ直ぐに生き抜くことの難しさ。原作は数百年前のものだが今も昔も変わらない。深いストーリーだった。

監督兼主役を演じているレイフ・ファインズが初めてメガホンを取るこの作品について、「そもそも俳優を目指したきっかけが、幼少時から触れていたシェイクスピアだったんだ。12年前に『コリオレイナス』の舞台を踏んでから、ずっとこの戯曲の映画化に興味があったんだ。他の古典作品には無い特質を持っているからこそ、この作品を映画化したいと思ったんだ」と後に言っている様に、鑑賞してみると、この作品への監督の熱い思いと内容の面白さが伝わってきます。

この手の単館系作品を劇場で鑑賞したのは、これが初めてかもしれない。劇場は渋谷のミニシアターだったがスクリーンがとても小さく、シートも狭い。音響もフロントにスピーカーが2台並べられているだけの超シンプルな造り。だが普段よく観ているハリウッド系映画では味わえない「手作り感」というか「趣」というか、作品も劇場も全て引っくるめて配給する側の熱意が感じられる、単館系の面白さを肌で感じられた記憶に残る映画になりました。

Posted in アクション by 倉井 on 3月 30th, 2012 No Comments »